国内の森林資源が成長し、利用期に入ったと言われている。
確かに当社に入ってくる原木も年々太い物が多くなって来ている。

"太い”って感覚的な表現だが、当社は元々小径木工場としてやって来た。
10年くらい前までは直径12cm~20cmの丸太がほとんどで、平均18cmの丸太を
製材していますと説明していたが、近年は、徐々に直径20cmを越えるものの割合が増え、
最近では、国有林材のシステム販売契約で30cm代も多く入って来るようになっている。
下の写真では、左側の細い丸太と比べると違いが分かると思う。

更に、こんな60cmを越える丸太も。

大きいことは良いことだ。
と、思われるかもしれないが、実は、この"大径化”が問題となっている。
一つは、製材加工技術の問題で、住宅の柱や梁といったものを製材した場合、大きな断面のものを割れや狂いを出さないよう
に、乾燥しなければならない。トドマツには、"水食い”といって所々に水分の高いところがあって、均一に乾燥するには時間も掛かり、コスト的にも難しいので、近年は、一度板状に製材して乾燥したものを貼り合わせる"集成材”が主流になっている。
太い丸太は必要無い...
最近は丸太を桂剥きにして製造する"合板”での利用が出来るが、そのためには、丸太を伐採する段階で長さを変えなければならない。伐ってからでは遅い。
二つ目は、トドマツは、高齢級(50年超)になると腐朽被害が増える。確かに当社に入っている丸太も太い物ほど、中心の部分
に腐れや変色が見られる。
最近、標準伐期齢も50年から40年に変更となっている。
ただ太くすれば良いというものでは無い。
折角沢山あって、白く、加工しやすい良い木なので、適正、無駄なく使って行きたい。